ゆとなみ社さんが2019年に継業された、北野天満宮にほど近い源湯さんの改修をお手伝いさせてもらいました。
紙屋川沿いで橋とお地蔵さんと風呂屋の煙突が並ぶ風情あるロケーション、昭和3年築と聞くこのお風呂屋さん、中に入れば格天井等が残るディープな趣。昔ながらの良い感じの番台も残っておりまして、これを新しくフロントカウンターに誂え直しました。番台を解体すると、中がタイムカプセル状態!千本日活の渋いポスターが出てきました。珍しい布製の「明日もどうぞ」札も。閉店後に入口にかけていたのかなぁ。営業時間も書いてあるので、昔は時間が統一だったんだろうか。なんてウフフと妄想を膨らませていたら、頑張って解体してるTDさんに白い目で見られました。
今回の改修のテーマは「元々の源湯のディープな趣を出来るだけ残したい」というご希望だったので、おしゃれパン屋さん?カフェ風?にならないよう、渋め路線を目指しました。玄関は無機質だった天井を化粧小屋裏天井風に。両側に大きな窓を開け、オーナーの湊君が見つけてきた古建具を嵌めこみました。開放感が増して目指す「ひなびた旅先銭湯風」になったでしょうか。温泉旅館に来たような情緒を感じてもらえると嬉しいです。元々先代のオーナーさん家族が住んでおられた住居部分も、くつろぎスペースや店舗として開放される予定なので、他にない複合施設に生まれ変わりそうです。
工事中も近所の方が覗きに来られては「この天井はええもんやから残しとかなあかんで!」やら「桶を取りに来たんやけど…」(お二方ほどおられました)「今はしょうがないし他のお風呂屋さん通てるけど、やっぱりここのお湯じゃないとねぇ」等々、うれしい?お声掛けをいただきました。6月末、工事も塗装に入るなど追い込み。ロビーの工事と並行して、湊君が自ら配管工事をしていて、釜場の方も整理されていっています!
お風呂屋さんラブの私は、子が生まれて転居するまでは風呂なしの家に住まい、風呂屋に通い、番台の手伝いもしておりました。今生業としている建築業でお風呂屋さんのお役に立てるとは幸せの極みです。
追記:
2022年、源湯が劇場版アニメ「四畳半タイムマシンブルース」の舞台として登場しました。ゆとなみ社の京都銭湯には、吉田寮や西部講堂、鴨川や古着屋に流れるカオスな時空間と同じものを感じます。京都で学生時代を過ごした人があの場所は何だったんだろう、あの大人たちは何だったんだろうと忘れられなくなるような、とても京都らしい魅力があります。
project name:源湯(銭湯)
case:内装リフォーム(玄関・フロント・くつろぎスペース・外観)