【珈琲山居】

 新大宮商店街に実店舗を開かれた珈琲店、「珈琲山居」さんです。オーナー夫妻は自家焙煎の珈琲とヴィーガン&グルテンフリーのお菓子を作っておられて、差し入れで味見させていただくこともたびたび。素材の良さが味わえる、幸せなお味です。静かだけれども良いものをコツコツと集めておられるこだわりの調度品が映えるような空間を目指しました。
 
 まずは2階の住居部分から工事させて頂きました。猛暑の中オーナー夫妻もDIYで塗装作業などもくもくと頑張られました。夏の終わりに無事住居部分のお引越しが済み、いよいよ本格的に一階店舗部分の工事へ。施主支給の仕上げ材が次々と搬入され、カウンターや枠まわりが付きました。外観も元々のお寿司屋さんのようだった石張りや瓦屋根を撤去しました。ご夫妻が一目ぼれしたアンティークの玄関扉に合わせて、メラピーやラワンを使って枠を作りました。(TDさんが仕入れて貯蔵していた、80年物のラワン無垢材の塊を、どんどん切り分けて別の形にこしらえていく様は料理人のよう。)「人間が作りだしたものはゴミにしかならないものも多いけど、自然が作ったものは無駄なく最後まで使いきれる。だから木が好きだなぁ」と言ってました。
 
 オーナー夫妻のDIY塗装も日夜研究が重ねられ、朝私達が現場に入ると窓枠がすべすべの渋い色に塗られていたり!横並びの焙煎室には暖かな大地の色のタイル。厨房には深い湖色のタイル。お揃いで色違いの素敵なタイルが、お二人の雰囲気を表しているようです。
 
 プレオープン直前には、大テーブルを納めに伺わせていただきました。店内はオーナー夫妻のDIY左官&塗装も終わり、椅子やテーブルなどが搬入されて、すっかり珈琲屋さんらしくなっていました。大テーブルはもともとこちらが居抜物件だった時に設置されていた、全長5メートルほどのカウンターを撤去して、大テーブルと短いカウンターに拵え直したものです。銘木ではありませんが、廃棄せずに使いきって生まれかわり再び使ってもらえる事で、この松材も喜んでいると思います。仕上げの塗装をしていただいて、空間に馴染むのが楽しみです!

project name:珈琲山居(店舗兼住宅)

case:内外装リフォーム

etc:マホガニー(床板)